2012.01.03
3年目 。
この3年で 見てきたもの 知ったもの 感じてきたこと
そしてここから 見てゆくもの 知ってゆくもの 感じてゆくこと
ひとつぶ ひとつぶ 伝えていけたらいいなと おもいます。
支えてくださるすべてのみなさまに おおきな感謝をこめて
ことしも 走りだします。
投稿者: 石井麻木
2011.12.28
2011.10.21
カンボジアから戻ると、
一枚の写真が「カンボジア報告」に載っているのを知りました。
地雷原の綿畑の写真です。
トーンさんのもとで、長年、育てられてきた若者たち。それに、バダク村の他のメンバーたちが写っています。

トーンさんソピアプさんが、土地を失い、地雷原を離れて、コーダエ村の実家に身を寄せてからも、現地に残った若者たち、そして他のメンバーたちが、黙々と、わたしたちの畑を守っていたのです。
「綿は、順調に育っています。去年よりもたくさん育ちそうです。12月の収穫が楽しみです」ということです。
みんなの逞しくて優しい笑顔、どことなくのんびりと、愉快になるような明るい写真を見て、目頭が熱くなりました...
(http://naturesavescambodia.org/cambodia/rasmay/our_hope.htmlをご覧下さい)
トーンさんの件について、急遽カンボジアを訪れ、たくさんの方々に相談に乗ってもらい、トーンさん、NSCのラスメイ代表、リットさんたちと、何度も何度も、話し合いました。
正直、苦渋に満ちた日々でした。
トーンさんの土地の問題は、内戦後のどたばたの時期に端を発した、とても複雑な問題で、今後、トーンさんがこれまでの土地に戻れるようになるのか、全く、わかりません。
トーンさんは、「この問題は、あくまでも自分の問題なので、自力で解決する」と言うことで、この件について、わたしたち日本側NPOおよびカンボジアNGOのサポートは求めないと言うことでした。
トーンさんというひとは、つくづく、どこまでも毅然とした、誇り高い人物です...。
ラスメイ代表たちメンバーみんなと協議を重ねた結果、以下のことについて確認しました。
▼今回のトーンさんの土地の問題は、トーンさんの言うようにトーンさんの私的な問題であり、わたしたちNPO,NGOとして介入することはできない。
当面、地雷原の畑は、トーンさん抜きで、残りの現地メンバーによって管理運営し、これまで通りの活動を続けて行く。
▼わたしたちの活動は、"地雷被害者や高齢女性を中心とした、貧困層が、綿作り製品作りのスキルを通して、経済的に自立し、長期的な展望にたって生活設計できるように、サポートしていく"ことです。
その意味で、トーンさん一家は、土地の問題を抜きに、変わらず活動の受益者としての対象です。トーンさんの希望に沿って、活動の範囲内で、今後もトーンさん一家をサポートしていきたい。
例えば、トーンさんたちは現在、ワンさんたちの糸紡ぎはた織り工房のあるコーダエ村に住んでいるので、ソピアプさんが、ワンさんの工房で、糸紡ぎ、はた織りに参加することも、考えられるでしょう。(これについては、今後、ソピアプさんと話をしたいと思います)
ちなみに、みなさんからお問い合わせがありましたが、わたしたちの活動の場である綿畑は、今回のトーンさんの土地とは関係がなく、活動そのものに影響はありません。
今回の件を通して、カンボジアの仲間たちの逞しさ、誇り高さ、情の熱さ、団結力、行動力、深い優しさを、つくづく実感しました。試練を経ながらも、それを乗り越えて、わたしたちの活動が着実に根を張っている。確実に、みなが自立に向かって進んでいることを、実感しました。
そして、たくさんのひとたちと話すなかで、カンボジア人の間で、わたしたちの活動が広く知られ、「着実に成果をあげている、信頼できる活動だ」と、多くのひとたちに評価されていることも、知りました。
やっぱり、わたしたちの活動は、いい活動だ!...そう、胸を張って言えると思います。
これからも、カンボジアの仲間たちの知恵と勇気と、強い絆のもとに、活動を発展させていきたいと思います。

バダク村から送られて来た写真を見て、思います。
どうか、この希望の綿が、すくすくと自然体に、天真爛漫に育って、多くの実りを結んでくれますように...。
わたしたちの畑は、きっとどんなことがあっても、カンボジアの仲間の手で、守られ、育っていくでしょう。
みんなが夢を託して集まる「希望の磁場」に、いつしかなりはじめているのかもしれません。
投稿者: 山本賢藏
2011.09.29
今回のケースでは、トーンさんを含め、隣人家族あわせて14家族が、土地を失ったと聞いている。
みな一緒に助け合って、地雷を取り除き、開墾を続けてきた家族たちだ。
トーンさんは、その14家族の代表として動いている。
自分の土地だけに専念すれば、速やかな妥結が可能なのではないかという声もある。
しかし、自分の理想と信念をあくまでもストレートに貫くトーンさんのことだから、
苦楽をともにした他の家族を見捨てる選択は、全く頭にないらしい。
今回の件は、トーンさん個人の問題であり、
基本的には、わたしたちの活動そのものとは関係がない。
(ただし、「希望の綿の会」の寄付で作られたトイレや井戸の問題については、政府のしかるべきところに、正式に訴えるつもりでいる)
NPO「地雷原を綿畑に~Nature Saves Cambodia~」と、カンボジアのNGO「Nature Saves Cambodia 」の活動は、これまで通りに続いている。
コーダエ村のワンさんやおばあちゃんたちは、
「こういうときこそ、自分たちは自分たちに与えられた仕事を、きっちりやっていきたい」と、黙々と物作りに励んでいる。
バダク村からは、ソピアプさんの弟から、報告があった。
わたしたちの綿畑では、綿が芽生え、まだちっちゃいながらも、すくすくと育っているということだ。
リーダーのトーンさんが不在でも、いまのところはなんとか、他の仲間たちの力で、綿は守られている。
しかし、それもいつまで続くだろうか?
この活動にとって、トーンさんの存在はとても重要だ。
トーンさん抜きのシナリオを、今後も、わたしたちは考えていない。
どうすれば、トーンさんが、わたしたちの活動に今後も関われるか?
NPOの活動の範囲内で、トーンさんに何ができるか?
事態の流れを見ながら、検討していきたい。
この綿畑に、このちっちゃな綿たちに、光明が射すのは、いつのことだろうか?
必ず射すことを、信じている。
なるべく、はやく射してほしい。
ソピアプさんの弟さんの写真です。日付は、間違って入力されているので気にしないでくださいとのことです。サイズが大きくて、すみません。詳しくは、カンボジアレポートを。
http://naturesavescambodia.org/cambodia/rith/grow_grow_little_seedling.html
(うーん。畝が、微妙に、まっすぐじゃないけど... すくすく育ってるあかしかな?)
投稿者: 山本賢藏
2011.09.29
一筋の光明と言えるのだろうか?
カンボジアから報告があった。
法務省の調査委員会が、トーンさんの訴えを受けて、
この問題について、独自の調査に動き出したという。
その後の経過については、今のところ、知らされていない。
今回の件について、もう一度、要約しておこう......
トーンさんソピアプさんは、地雷被害者同士で結婚した後、生活に困窮した。
子どもたちを親戚に預けて、新天地を求めてバッタンバン州の地雷原に移り住んだ。
(土地は、当時その地域の開発を担当していた軍関係者から購入したものだった。トーンさんは、その証書を持っている。)
10年以上にわたり、自ら地雷を除去し、安全な畑作りを進めていった。
その間、家族として可愛がっていた身寄りのない少年を、対戦車地雷の事故で亡くすなど、多くの重い犠牲を払うことになった。
それでもなお、信念のもとに開墾を続け、
ようやく5ヘクタールの土地を安全な畑に変えて、今に至った。
「ここは自分の約束の土地だ。」とまで、トーンさんは言っていた。
「一生ここを離れない。子どもにも、この土地を手放すなと言っている。将来は、ここも綿畑にして、小さな綿の工場を作って、みんなで、ぼくたちの夢の村を作ろう。」
そう、言っていた。
それが、2か月前の裁判の結果、その土地は、別の人の物だという判決が下され、
トーンさんは、土地を全て失い、強制退去を命じられた。
路頭に迷ったトーンさんが、親族のいるコーダエの村に身を寄せてから、
すでに1ヶ月が経っている。
裁判の経緯など、詳しくは、ニュース欄「トーンさんのこと」を参照していただきたい。
これまでの報告によれば、焦点は、トーンさんたちに土地を売った軍関係者に、売却の権利があったかどうかにあるようだ。
裁判の詳細について、さらに詳しいカンボジアからの情報を、現在、待っている。
いずれにしても、現段階の情報のもと、ぼくの理解では、
この件で、トーンさんは、どのような角度から見ても、「被害者」だとしか思えない。
そもそも、当時の状況のなかで正当に土地を購入し、長年にわたって多くの犠牲を払い、
自ら地雷を除去し、やっと豊かな畑になったところで、その土地を取り上げられ、
それに対する賠償、保障といった手当が一切ないというのは、
一体、どういうことなのだろう?
そのうえ、法務大臣が「立ち退きを延期するように」との通達を出しているにもかかわらず、それを無視する形で、州当局により強制退去が実行された。
トーンさんたちは、家も全て壊され、(「希望の綿の会」の寄付で作られたトイレも壊され、井戸も使えなくなり、わたしたちの機織り機も全て壊された)一日にして何もかも失い、力づくてその場を追い出され、路頭に迷う結果となった。
はたして、そんな形で、一件終わりにしてしまうものだろうか?
そういった声は、カンボジア国内からもあがっているようで、カンボジアの新聞やテレビが、今回の件を大々的なニュースとして扱っている。いずれも、「地雷被害者に対して、あまりに酷くはないか?」と、トーンさんに同情する論調で、政府に善処を求める内容となっている。
こうした世論の力もあっただろう、今回、法務省の委員会が、調査に乗り出した。
これまでの、トーンさん側と、訴訟相手側、それに州当局との間の事実経緯を調査し、公正な判断に基づく見解を示すことになると聞いている。
法務大臣の通達が無視された経緯からすれば当然とも思えるが、
カンボジアでは、こうした調査委員会は、あまりないことらしい。
それだけ、トーンさんの訴えに説得力があるということだろう。
とはいえ、この調査委員会が、はたして州の管轄事項にどれだけ力を発揮できるのか、
また最終的にどのような見解を示すのか、わからない。
これが、一筋の光明となるのだろうか?
ただ、そう願うばかりだ。






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